バリ舞踊やバリ絵画、バリ建築など、バリ島独自の芸術や伝統を体験できます。

バリ舞踊の種類と特徴、おすすめの鑑賞スポット

バリ島には様々な伝統舞踊がありますが、その中でも特に有名なのがワリ、ブバリ、バリバリアンと呼ばれる3つの様式です。これらはそれぞれ宗教的な重要性や演目の内容によって区分されています。

ワリは神聖な舞台芸術で、寺院で儀式として奉納されます。代表的なものにサンヒャン・ドゥダリやジャンゲルがあります。サンヒャン・ドゥダリは憑依舞踊で、女性たちがトランス状態になって火を食べたり刀を口に入れたりします。ジャンゲルは男女二人で演じる宮廷舞踊で、恋愛物語を表現します3。

ブバリは寺院で儀式として奉納されるが、人前で観賞用に演じられることもあります。代表的なものにトペンやガンブーがあります。トペンは女性たちが扇子を持って華麗に踊る舞踊で、日本の扇子遊びと似ています。ガンブーは男性たちが竹棒を使って戦闘シーンを再現する舞踊で、迫力満点です。

バリバリアンは娯楽として人前で観賞用に演じられる舞台芸術です。代表的なものにレゴンやバロンやケチャックがあります。レゴンは少女二人(または三人)が美しい衣装を着て優雅に踊る舞踊で、ラーマーヤナや魔物退治などの物語を題材とします 。バロンは善と悪の戦いを描く祭り劇で、聖獣バロン(獅子)と邪悪な魔女ランダ(毛虫)が対決します 。ケチャックは男性たちが「チャッ」という掛け声を発しながら円陣を作り、ラーマーヤナの一場面を歌い上げる合唱劇です。

これらの伝統舞踊はそれぞれ異なった魅力や特徴を持っていますが、共通していることは高度にパターン化された動作や表情、そしてガムランと呼ばれる民族音楽と密接に連携することです 。この音楽は金属製や竹製の打楽器から成り立ち、多彩な音色やメロディーを奏でます。

バリ絵画の歴史とスタイル、有名な画家たち

バリ島は美しい自然や豊かな文化で知られていますが、その中でもバリ絵画は特に魅力的な芸術です。色彩豊かで緻密な描写が特徴であるバリ絵画の原点は、16世紀後半のマジャパヒト王国時代のころとされ、王宮向けの装飾絵画として発展し、『ラーマーヤナ』、『マハーバーラタ』やヒンドゥーの多神教の神々などが題材とされてきました。

この頃から伝わるバリ絵画の技法はカマサン・スタイルと呼ばれ今日まで続いており、黒、白、黄、青、茶色の5色を用いて平面的に描かれます。人物は影絵のように斜めから描かれるのが特徴です。カマサン村では伝統的な様式を守りつつも新しい感性を取り入れた作品が生み出されています。

1920年代になると西洋絵画と出会ったことでバリ絵画に大きな変化が起こりました。ウブド王宮に招かれた外国人画家たち(ワルター・シュピースやルドルフ・ボネら)が地元の農民工芸家たち(ニョマン・レンパッドやマデ・ナデラら)に遠近法や陰影や色彩などを教えました。これによって表現力が飛躍的に向上し、伝統的な宗教テーマだけでなく日常生活や風景も描くようになりました。

この時期から生まれたウブド・スタイルやバトゥアン・スタイルは現代バリ芸術の基礎となりました。ウブド・スタイルは紙や布に中国の墨と毛筆を使って村人たちの生活を生き生きと描くスタイルです。シュピースはこのスタイルをさらに発展させて幻想的な風景画を描き、「シュピース・スタイル」と呼ばれる独自の様式を確立しました。

一方、バトゥアン・スタイルは墨絵のような細密画で『ラーマーヤナ』等の神話や農村社会の生活風俗が描かれるスタイルです。

バリ建築の美しさと哲学、見どころ満載の寺院やホテル

バリ島に行くと、目に飛び込んでくるのがその独特な建築です。茅葺き屋根や木彫りの門、水庭や彫像など、バリ建築は色彩豊かで精巧な装飾が特徴です。しかし、それらは単なる美術品ではありません。バリ建築は、神・自然・人という3つの要素と調和することを目指すバリ人の哲学「トリ・ヒタ・カラナ」を反映しています。

トリ・ヒタ・カラナとは、「幸福の3つの原因」という意味で、神(パラヒャンガン)、自然(パレマヘン)、人々(パウォンガン)との関係が平和であれば繁栄がもたらされるという考え方です。この哲学は、バリ人の生活様式や文化観光にも大きな影響を与えています。

例えば、バリ島では水利組合「スバック」が灌漑用水を管理しており、これはトリ・ヒタ・カラナを体現するシステムとして世界遺産にも登録されています。スバックでは水源地にある寺院「プラニ」から水を分配し、農民たちは神への感謝や祈りを捧げます。このようにして自然界の恵みに依存することを強調し、人間社会と自然界と神聖界をつなぐ儀式が行われています。

また、バリ島では多くの寺院や宮殿が見られますが、それらもトリ・ヒタ・カラナに基づいて設計されています。寺院や宮殿は三分割された領域(内側からウタマ・マンダラ(最高位)、マディヤ・マンダラ(中間位)、ニスタ・マンダラ(最低位))に分かれており、それぞれ神々や王族、一般民衆など異なる階層や存在に対応しています 。また、門や壁、彫像なども悪霊から守るために重要な役割を果たし、豊かな装飾で飾られています。

さらに、バリ島では多くのホテルやレストランでもトリ・ヒタ・カラナを取り入れたデザインが見られます。例えば、有機的な素材やオープンスペース、水庭などを用いて環境と調和した建築物が多くあります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました